1968年ワイン - ヴィンテージ概観
1968年のワイン、ヴィンテージ評価を記する前に、まずこの年のブドウ作柄情報はどこを見渡してもまったく存在しておりません。これが何を意味するのかは、経験上から判断して非常に厳しい、いわゆる出来の悪い、しかも最悪に近い作柄状況であったことを示唆させています。
無い情報の中から、独自に文献等を調べた1968年ワインについての数少ない情報を、以下に記しましたのご参考程度にご覧いただければ幸いです。
1968年のヴィンテージ概観は、ボルドーの赤ワインに対するものしか見当たらず、情報はこれのみとなりますが、まず一番にいえることは春先から秋の収穫期までの累計雨量が458mmと多く、この雨の多さが1968年ヴィンテージのすべてを物語っているといえます。
春から初夏にかけては乾燥した日々が続き、そこそこ良好なブドウ生育が期待されたようですが、期待していた夏から収穫期に当たる秋口までの雨量が多く、当然ながら日照不足と重なり、残念な結果となったようです。
特に収穫寸前9月にフランス全土で大雨が継続的に続き、広い範囲で畑が水浸しとなる現象に見舞われました。60年代は出来不出来のバラツキが激しいのですが、1968年はまさにバッド・ヴィンテージ、完全な不出来といえるブドウ生育に終わりました。
ボルドー甘口白ワインであるソーテルヌおよびバルサックでは、この多雨により貴腐菌の繁殖が促進されてようで、1968年、フランス全土のワイン産地の中で唯一スタンダードレベルなブドウが成功したようです。
さて、上記以外の産地、ブルゴーニュやローヌ、アルザス、ロワールなどの情報は皆無であり、特筆することはできません。
しかし、ハッキリしていることはこの1968年、ボルドーに限らずフランス全土で雨量は多く、基本的な作柄の土台はボルドーと同じだと考えられます。また、秀逸な収穫年の場合にはそれを必ず世界中へ知らしめるためにさまざまな取り組みが行われるフランスワイン界の慣習からして、これだけ情報が見当たらないことを考えると、余程不出来な失敗ヴィンテージだったということが推測されます。
このようにブドウ自体が非常に貧弱な1968年物のワインは、かなり古いということもあり既に飲んで楽しむ価値はありません。
唯一、未だに問題なく味わいを楽しめるワインとなると、酒精強化ワインであるリヴザルトやバニュルスあるいは貴腐以外には考えられません。
古いワインは生まれ年のヴィンテージに絡め、プレゼント需要が強いのですが、1968年物をチョイスするのであれば酒精強化や貴腐ワインなどデザートワインをお勧めいたします。
お誕生日や還暦など、さまざまな記念日のプレゼントに、ノスタルジーでセピアな演出を生まれ年のワインが誘います。
| 1968年の降水量 | 458mm(平年の119%) |
|---|---|
| 1968年の積算温度 | 3102(平年の97%) |
| 30℃以上の日数 | 11日 |
| 収穫日 | 9/27~10/7日頃まで |
各ヴィンテージの概観
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