1956年ワイン - ヴィンテージ概観
1956年のワイン・ヴィンテージですが、全体的にパッとしない50年代の中で、最も出来の悪いヴィンテージが1956年です。ゆえに詳細情報も乏しく、はっきりいって正確なブドウ生育の情報はわかりません。
以下に、わかる範囲で1956年のワイン、ヴィンテージについてまとめました。
まずボルドー赤ワインの1956年で、もっとも特徴となった天候が「多雨」です。春先から収穫期までの積算降水量は441mmと、これは平年比で115%に相当するほど多く、この雨量の多さがすべてを物語っています。気温自体は積算で3083℃と、平年比で97%となるので特段悪いとはいえませんでしたが、夏本番の8月でも30℃を超えた日数がわずか5日間と、日照量不足は否めません。各ブドウ園は、収穫をギリギリまで伸ばしましたが、完熟には程遠い未熟なブドウしか生育しませんでした。
スコア的には20点満点中なんと5点。ここ半世紀の中でも最低レベルであり、1956年物のワインはフランスのどのアぺラシオンにおいても現在は価値はありません。唯一、南フランスで造られるヴァン・ドゥ・ナチュレ、「リヴザルト」や「バニュルス」は品質劣化にめっぽう強く、今も美味しく味わえるでしょう。
ボルドーでは赤のカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロしか情報がなく、1956年は辛口、甘口ともに白の情報はありません。またスコアすら見当たりません。これらの事象から、まったくもって評価するに値しない最悪のブドウ作柄だったことが容易に伺えます。なぜなら、優れたヴィンテージの場合、必ず生産者側はそれを賢明に世界市場に向けて発信するからです。
フランスのワイン産地全体的に散々な1956年であり、それは何と、ボルドーと双璧を成す二大銘醸地ブルゴーニュの情報が皆無という異常さからもわかります。世界中の愛好家から「黄金の首飾り」と例えられるコート・ドールの作柄情報がまったくなく、スコアすら見つけることができませんでした。
そんな中、唯一「まだマシ」だったのがローヌ赤の1956年物。詳しい事情はわかりませんが、20点満点中12点というポイントを与えられており、悪い中で「最悪とはいえない」生育だったようです。
1956年のロワールとアルザスは9点。やはり論ずるに値しないヴィンテージです。
このように、1956年は仏ワイン産地全域で、MAX残念なヴィンテージという評価です。各機関によりバラツキのあるヴィンテージ評価とはいえ、この年に関しては間違いなく最悪で、おそらくどの造り手のワインも凡庸、凡作、残念なワインしか産まれなかったことが予想できます。
1956年のワインを生まれ年ワインとしてプレゼントに贈るなら、甘口のデザートワインしか選択の余地はありません。ヴィンテージ的に最悪で、スティルワイン(通常の製法のワイン)はどの銘柄でも、例え一流どころの高級ワインであってもすでに終わった状態であることは必至です。平凡な造り手のワインなどは、酸化していてお酢のように酸っぱくなっている可能性すらあります。しかし、それでも希少価値から取引価格だけは高額になるのがワインの世界。絶対にスティルワインは手を出してはいけません。コレクターを除いては。
対し、元々長期熟成を考慮して造られる酒精強化ワイン(リヴザルト、バニュルス)は、お値段も古酒としてはお手頃で、品質劣化にもめっぽう強く、プレゼントに安心してチョイスできます。
| 1956年の降水量 | 441mm(平年の115%) |
|---|---|
| 積算温度 | 3083℃(平年の97%) |
| 30℃以上の日数 | 5日 |
| 収穫日 | 10/11日頃~10/20日頃まで |
各ヴィンテージの概観
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