今日もワインを飲んでます そして思いついたことを書きつづる

キリストの血入門 25

プレゼント専門シエル・エ・ヴァンの店長・ハヤシです。
ワインが「キリストの血」であることから、キリスト教について勝手に語っていく第25回です。今回もワイン屋の店長が宗教学者になって語りますので、誤りがあっても許してください。

 

 

前回から、キリスト教やユダヤ教と関係する宗教でありながら、ワイン文化とは対極の宗教であるイスラム教を取り上げています。前回はムハンマドから正統カリフ時代まででした。今回はスンナ派とシーア派の分裂から、その後の歴史を取り上げます。キリスト教の西方教会と東方教会の分裂、あるいはカトリックとプロテスタントの分裂とは異なる、イスラム教の大分裂です。

 

正統カリフ時代は四人のカリフでしたが、この4人の中で3人が暗殺で亡くなりました。
最後の正統カリフは、ムハンマドの甥のアリーでした。これに対してウマイヤ家のムアーウィアが反発したことで、対立関係ができてしまいました。この対立は実際の戦闘にまで発展するほどでした。最終的にアリーだけでなく、息子のフセインまで殺害されたことで、ムアーウィアが自らカリフとなったのでした。ここに正統カリフ時代が終焉を迎え、ウマイヤ朝の誕生となりました。当然ながら以降はウマイヤ家によるカリフの世襲となりました。
これに対してアリーの支持勢力は、ムハンマドの血統であるアリーやその子孫のみがイスラム指導者であるべきと主張していました。彼らは「アリーの党派(シーア・アリー)」、つまりシーア派という急進派として活動をしました。シーア派に対するのは「ムハンマド以来の慣習(スンナ)に従う者」というスンナ派となり、イスラム教は共同体が大きく2つに分裂したのでした。
ただ政権はウマイヤ朝の時代となり、シーア派は少数派だったこともあり、次第に分派を繰り返すようになっていきました。

 

イスラム共同体の指導者が誰かで分派したわけで、教義の解釈の違いで分かれたわけではありません。そのため、キリスト教や仏教の分派とは様子が違います。むしろ信仰は同一ながら、組織体制の違いにより分離したわけで、俗世間レベルの出来事ともいえますが、そのように見るのは正しいとはいえません。なぜならイスラム社会は政教一致だからです。ローマ皇帝とローマ教皇で、権力と権威が最初から分離していたキリスト教とは根本的に異なるわけです。
また、日本語では「派」としていますが、これは宗派を意味しません。特にスンナ派から見れば、シーア派は単なる少数派としての「派」であり、その意味でスンナ派は多数派の「派」という程度のものです。基本的に宗派として分離していないので、キリスト教や仏教の視点で見てはいけないわけです。

 

ムアーウィアから始まるウマイヤ朝は、その後約100年間続きました。ダマスカスに遷都し、メッカ・マディーナの有力者に対しては賄賂を与えることで、反対勢力をを孤立させたといわれています。そして680年にムアーウィアが死ぬと、息子のヤジードが即位しました。しかし、カリフの世襲というのは、今まで前例がなかったことから、シーア派からの反対の声もあがりました。しかし、反乱勢力はすべてウマイヤ朝の軍に撃破されました。壮絶な戦闘が続き、これにより681年にはメッカのカーバ神殿は焼かれてしまいました。マディーナは陥落し、大混乱の末に「ハルラの子」とよばれる父親不明の子どもたちが生まれました。
ただ、ウマイヤ朝も絶対的な基盤があったわけではなく、ヤジードの次のムアーウィア2世がはカリフの在位期間がわずか3か月で死去し、反乱が再び活発化しました。
この混乱は、マルワーンが収めたこことで、684年にカリフに即位しました。しかし、これも在位1年で暗殺されてしまいました。ようやく小康状態になったのは、次のカリフのアブドゥル・マリクでした。さらに次にカリフのワリードの時代になり、東ローマ帝国へ攻め入るようになりました。

 

ヨーロッパへ迫ったのは、708年に北アフリカを征服したあとの711年でした。ついにイベリア半島に至り、キリスト教勢力だった西ゴート王国を滅ぼしたのでした。さらに現在のスペインからピレネー山脈を越え、フランスにまで侵入していきました。しかし、732年にトゥール・ポワティエ間の戦いに敗れ、フランスへの進撃は終わりました。
この時代からキリスト虚とイスラム教の両勢力の対立続き、8紀半ばからは、イベリア半島だけがイスラム教勢力という図式となりました。これはヨーロッパ方面だけでなく、中央アジア方面への侵攻もあり、イスラム帝国の領土拡張は続きました。

 

今回は主にウマイヤ朝について述べました。まだ次回へ続きます。

 

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