今日もワインを飲んでます そして思いついたことを書きつづる

ビュージンゲン(Büsingen)

プレゼント専門シエル・エ・ヴァンの店長・ハヤシです。
今回はビュージンゲン(Büsingen)について勝手に語ります。

 

 

ドイツのボーデン湖からウンター湖の沿岸を西へ進んでいくと、国境のライン川を渡らなくともスイスへと入国することになります。具体的にはÖhningenのシュタイナー通りでZollamt Öhningenを右手に見てすぐにドイツからスイスへと入ります。日本人からすれば、市町村の境目くらいの感覚です。
そのシュタイナー通りをさらに進むと、Öhninger通りとなり、さらに名称を変え、ガッサでライン川を渡る橋が現れます。この橋でライン川を渡ります。こここそが国境のようですが、同じスイス国内です。この通りは13号線に合流するので、それをさらに西へと向かいます。ライン川の対岸を、川に沿って進むことになります。この対岸は再びドイツです。
しばらくしてディースゼンホーフェン(Diessenhofen)を過ぎると、ライン川の対岸が再びスイスになり、さらに進むとまたドイツになります。しかし、この対岸のドイツ領は周囲がすべてスイスです。
つまりドイツの飛び地なのです。ビュージンゲン(Büsingen)という小さな村です。

 

このルートの場合、飛び地のビュージンゲンに行くにはライン川を渡る橋がないため、遠回りしてシャフハウゼン(Schaffhausen)まで迂回しないといけません。
この村は面積がわずかに7.62平方キロメートルで、人口も約1,450人しかいません。
ドイツ領ですからドイツの法律が適用されますが、駐在している警察官はスイス人です。そのため、犯罪が発生した場合には、ドイツから警官がやってくるそうです。人口も少ないので、それほど犯罪の起こる可能性は少ないでしょうが、日本人には考えられない状態と言えるでしょう。
通貨はユーロではなくスイス・フランですが、ユーロも使えるようです。シェンゲン協定でドイツ人が買い出しに出かけるポーランドの町のような感覚です。関税もスイスのものが適用です。

 

完全な飛び地ですから。経済圏はスイスになります。スイスへの往来には全く制限がなく、シャフハウゼンなどで働いたり、買い物に出かけたりしています。
基本的に政治や法律はドイツなのですが、経済と同じように、有事の際はスイスの法律が適用されます。
現在の実情からだけでなく、歴史的にもビュージンゲンはシャフハウゼン郊外の村として同一経済圏を構成しています。しかも1918年の住民投票では、投票者の96%がスイスへの帰属を希望するという結果でした。これだけの民意がありながら実現できなかったのは、ドイツとの交渉で、スイスが飛地交換におる代替地をドイツにできなかったことによります。
1956年には、まだ東西冷戦の時代だったため、西ドイツになりますが、その政府はビュージンゲンと西ドイツとの間の農地を買収することにしました。そのまま買い取っていき、ビュージンゲンまでの土地を西ドイツ領に編入しようとしたのです。これで飛地が解消できるわけですが、これは失敗に終わりました。なぜなら、西ドイツから続く土地をビュージンゲンまでつなげる場合、西ドイツ寄りにデルフリンゲン(Dörflingen)という町があるため、その北側の 農地や森林を買い取る必要があります。
土地の費用に対して経済的なメリットがなく、効果のないものという判断があり、スイス側としてもその案を却下したからです。

 

そのようなことがあって、結局飛び地として現在まで残っていることになりました。
1967年にスイスとドイツは条約を締結し、ビュージンゲンはそのまま西ドイツ領であることが確認され、東西再統一後のドイツも基本は西ドイツ政府と同じですから、そのまま継続していることになります。
意外に知らない飛び地の話でした。ありきたりのヨーロッパの旅行に飽きたら、このような飛び地を訪ねるのもいかがでしょうか。地元の人のワインで乾杯し、そこならではの話が聞けると思います。

 

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