今日もワインを飲んでます そして思いついたことを書きつづる

分断された都市ニコシア(Nicosia)

プレゼント専門シエル・エ・ヴァンの店長・ハヤシです。
今回はニコシア(Nicosia)について勝手に語ります。

 

 

ひとつの国がふたつの国に分断されている状態というのは、異常なことといえます。それでも日本のすぐ隣には、韓国と北朝鮮という分断国家があるので、日本人には比較的馴染みがあるともいえるのかもしれません。
ただ、ひとつの都市がふたつの国家に分断されるというのは、あまりイメージできないでしょう。
過去にはドイツのベルリンが東西で分断され、1990年に統一されたことがありました。分断した場所には壁ができて、「ベルリンの壁」は東西冷戦時代を象徴するものとなっていました。

 

実は現在でもふたつの国に分断されている都市が、世界にはひとつだけあります。
それがニコシアという都市です。
キプロス共和国の首都であるとともに、北キプロス・トルコ共和国の政庁所在地でもあるのです。ただし、北キプロスを国家として承認しているのはトルコだけで、他の国々は国として認めていません。
それにも関わらず、言語、通貨、宗教など、南北キプロスで異なっていて、別の国として機能していることは間違いありません。
この南北分断というのは、ベルリンのように東西冷戦の名残ではなく、ギリシャ系住民とトルコ系住民との衝突によるものです。
第二次大戦後、イギリスが撤退してのち、ギリシャ系住民はギリシャへ、トルコ系住民はトルコへ組み入れられることを望んだものの、これが火種となってしまいました。話し合いで解決されず、ついに武力行使にまで至ることになりました。
その結果、トルコ系住民は島の北部に移動し、1983年に「北キプロス」として独立を宣言したのです。

 

現在では南北の境界には「グリーンライン(南北分断線)」と呼ばれる緩衝地帯が敷かれています。
これは国連によるもので、ニコシア市内もグリーンラインによって南北分断されてしまったのです。最初は、南側のキプロス共和国から北キプロスへの通行だけが可能でしたが、2004年からは南北間の通行が自由化されました。
ニコシア市内には、グリーンラインを越えるためのクロスポイントが7ヶ所あり、その中で2ヵ所は徒歩でのみ行き来することができるものです。
ベルリンの分断と同じように、繁華街の中央地域がグリーンラインで行き止まりになった場所もありました。ポツダム広場が東西で分断されたのと同じように異様な光景でしたが、南北双方のイミグレーションオフィスでパスポートのチェックをするだけで、通行できるようになりました。これがレドラ通りのクロスポイントです。

 

キプロスでは紀元前2000年ころからワインが造られてきたといわれます。
以前にはキプロス産の甘口ワイン・コマンダリアを取り上げたこともありました。

 

アフロディーテのキスより甘いコマンダリア

 

エジプト第26王朝、アケメネス朝ペルシア、プトレマイオス朝エジプトなど、古代には当時の覇権国家に支配され、のちにローマ帝国の属州となったキプロスは、地中海での補給拠点として重要な島でした。
ブドウ栽培からワイン生産までも行いつつ、地中海の重要な中継地としての運命をたどりました。様々な国の支配を経て、最終的にギリシア系とトルコ系の住民は同居した状態で独立を果たしました。
それがキプロス紛争により分断された国となり、首都もふたつの国に分かれました。現在は治安が安定しているようですが、歴史あるワインは平穏な場所で飲みたいものです。

 

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