今日もワインを飲んでます そして思いついたことを書きつづる

ラスコーリニコフの口づけ

プレゼント専門シエル・エ・ヴァンの店長・ハヤシです。
今回は緊急事態宣言の外出自粛中に、ワインと一緒に読む文学作品『罪と罰』について勝手に語ります。

 

 

新型コロナウイルス感染防止のため、緊急事態宣言に基づいて、外出自粛が続いています。
こんなときこそ、ワインを飲みながら、世界的な文学作品を読むのはいかがでしょうか。
ロシアの文豪フョードル・ドストエフスキーの代表作である『罪と罰』(Преступление и наказание)など、読みごたえがあるのではないでしょうか。

 

主人公はラスコーリニコフ。時代は帝政ロシア、舞台は帝都ペテルブルクです。
ラスコーリニコフは頭脳明晰な元大学生で、貧しい青年でした。独自の犯罪哲を持ち、金貸しの老婆を殺害してしまいます。老婆は強欲狡猾な人物で、ラスコーリニコフの哲学からすれば、彼女を殺害することは、「選ばれた非凡人」である自分の場合、「世の中のため」であるならば正当化される行為であるということになります。
彼は老婆を殺害し、奪った金で世の中のために使うという計画を思い描いていました。ただ、偶然に殺害現場にその妹までいたことで、彼女まで殺害してしまうことになりました。
いわば偶然が招いた犯罪哲学に合致しない殺人だったため、彼は罪の意識を持つことになります。そして大いに苦悩しました。

 

そして娼婦ソーニャの登場です。
悲惨な暮らしをするソーニャですが、彼女は家族のために徹底的につくしています。その自己犠牲の生き方にラスコーリニコフは感動しました。そしてソーニャに諭され、ラスコーリニコフはついに自首を決意しました。そのとき、ひざまずいて口づけをした場所がセンナヤ広場でした。

 

 

ロシアの地下鉄は冷戦時代に核シェルターとしての活用を想定していたため、とても地下深いのが特徴ですが、このセンナヤ広場は地下鉄のターミナルに直結している場所です。
現在は賑わう場所といえるでしょうが、レニングラード時代は、雑踏はあるものの無機質な印象を持つ場所でした。懐かしく感じます。
この広場から徒歩で5分程度でラスコーリニコフが住んだという設定のアパートに着きます。現在は1階にドストエフスキーに関連するプレートが据え付けられているようです。このアパートはクリーム色の壁になっていて、4階建てです。上の階に行くほど床と天井の間隔が狭くなっています。日本と違い、高いフロアほど家賃が安くなることから、上下の長さも短くなっているようです。

 

さて、作品に戻ると、この『罪と罰』は、実存主義的な要素と社会主義思想への批判なども併せ持つとされています。純粋なヒューマニズム回帰のようなものではなく、有神論と無神論の対比、正当化された犯罪とそれを制御できない現実など、論じる点はたくさんあります。
ニーチェ的なニヒリズムとも異なる犯罪哲学と、その崩壊を招く苦悩とソーニャの存在など、重量感のあるストーリーは外出自粛の今だからこそ家で読む価値がある気がします。

 

ラスコーリニコフのアパート周辺は、小説の中では飲み屋から悪臭が漂う陰惨な場所となっていましたが、ソ連時代には殺風景な場所になり、現在は聞くところによると、商店やカフェが並ぶきれいな場所になったといいます。帝政ロシアの時代の風景は、今からは想像できないのかもしれません。

 

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