今日もワインを飲んでます そして思いついたことを書きつづる

悲しみよこんにちは(Bonjour Tristesse)

プレゼント専門シエル・エ・ヴァンの店長・ハヤシです。
緊急事態宣言の外出自粛中に、ワインと一緒に読む文学作品として、今回は『悲しみよこんにちは』(Bonjour Tristesse)を取り上げて、勝手に語ることにします。外出自粛中の読書としては、『罪と罰』『ハーメルンの笛吹き男』に続いて3作目です。

 

 

1954年に発表された『悲しみよこんにちは』という小説は、フランスの作家フランソワーズ・サガンの処女作です。世界22か国で翻訳され、世界的なベストセラーとなったことで知られています。
作者のサガンは、このときまだ18歳の若さでした。
自宅でフランスワインを飲みながら読書するには最適な一冊です。

 

サガンは恵まれたブルジョワ家庭で育ちました。
学校生活には馴染めなかったようで、ルイーズ=ド=ベティニ校(Cours Louise-de-Bettignies)に入学したものの3か月で追放され、次にクヴァン・デ・ゾワゾー女子寄宿学校に入れられ、さらに三つのカトリック系学校を転々としていました。
1952年にソルボンヌ大学への入学が許可され、この頃から『悲しみよこんにちは』を書き始めたようです。
処女作は、サガンの親友の母親が作家のクララ・マルローで、彼女を経由して出版社に原稿が渡されました。しかし、ここですんなりと出版には至らず、作家で映画脚本家のコレット・オドリーが結末の改訂を提案した上で出版社を紹介され、ジュリアール社から出版されることになりました。

 

この題名はポール・エリュアールの詩「直接の生命」の一節から採られたもので、主人公は18歳の少女セシルです。コート・ダジュールの別荘で、セシルと父親のレエモン、彼の愛人のエルザが過ごす一夏を描いた作品です。ただし、セシルの父とエルザは物語の前半で別れ、その後にまた重要な役割となります。

 

セシルは近くの別荘に滞在しているシリルに好意を抱きます。彼は大学生でした。
セシルの母親は他界していますが、ある日、別荘に母の友人のアンヌがやってきます。アンヌは知性的な女性で、しかも美しく、セシルはアンヌを慕っています。
しかし、アンヌが父と再婚するような気配が見えてきます。するとアンヌは母親のような振る舞いをはじめました。セシルには勉強についてや、恋人となったシリルのことについて厳しい態度をとるようになりました。父との気楽な生活に変化が訪れ、また何よりアンヌに父が奪われてしまうという懸念に駆られました。必然的にアンヌに対しては反感を抱くようになります。

 

セシルは様々な葛藤を経て、父とアンヌの再婚を阻止する計画を思いつきました。
そのために、恋人のシリルと父の愛人だったエルザを巻き込んで実行に移すのでした。何と、アンヌは自殺とも事故とも取れる死に方をするのです。

 

サガンはジャン=ポール・サルトルと交流が深かったことから、実存主義の影響が見られるといわれます。しかし、この『悲しみよこんにちは』は学生時代の作品ということもあり、若々しい視点が際立つ作品になっています。
サルトルの死後に発表された作品の中には、ナチス政権やレジスタンス運動を題材としたものもあり、作風の変遷を追うのも興味深い作家といえます。

 

それほど長い小説ではないので、フランスワインを味わいながら一気に読むのも良いかもしれません。

 

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