さて、久しぶりの旨安ワインのレビューです。
今回もチリワインを候補に挙げており、セパージュは難し目のピノ・ノワール100%。
新世界ワインの台頭は目覚ましいのですが、ピノ・ノワールの繊細なアロマやテクスチャーとなるとブルゴーニュには……う~~ん、正直まだまだ追いついたとはいえないですね。
カリ・ピノ(カリフォルニア・ピノ・ノワール)などは”商業的”に成功してはいますが、あくまでも商業的な成功であり、品質的にはブルゴーニュがやっぱり上です。
「カリフォルニアのロマネ・コンティ」や「ニュージーランドのロマネ・コンティ」など???なキャッチコピーで紹介されるワインもありますが、私にいわせれば「そんなわけないやん。。」ですし、多くの愛好家も同意見でしょう。。
あっ、勘違いがないように、、、決して新世界ピノをNGといっているのではありません。
事実私も飲みますし、素晴らしいワインもたくさんあります。
しかし1万円前後のワインを、「どこどこのロマネ」や「どこどこのペトリュス」などという有り得ない宣伝文句に白けてしまうのです。
価格が何倍もする超高級ワインは、伊達に高いわけではありません。
基本的なポテンシャルがまったく違うのに、事実に反することを堂々と発信する姿勢はどうかと。。
さて、余談が過ぎましたがこのワインはいかがなものか?
レイダ・ラス・ブリサス・ピノ・ノワール 2007 レゼルバ
生産者レイダからの解説をそのまま引用すると、「生育されるブドウ畑の区画は南西向きで日当たりが限られ、海の冷涼な風が直接当たる場所でシャルドネやピノ・ノワールといったブルゴーニュのセパージュが奇跡的に成功している」とのこと。
また2千円後半とリーズナブルなのに、フレンチオーク樽熟成10ヵ月。
くぅ~~、心を揺さぶられます。。
色調は相変わらずの濃いダーク・ルビー。
凝縮感があり、エキス分がパンパンに詰まっていそうな色です。
ただ前回のカサマリンよりは、明るい色調。
ピノ・ノワールの定番、ラズベリーのアロマが前面に香ります。
強めの酸臭もあり、これは好印象……旨安ですから。。
テクスチャーは固めですが、これは悪い意味ではなくミネラリーということです。
凝縮感はありますが、このミネラルの固さが幸いし結構さわやかです。
タンニンも強すぎず、後味の余韻も長め……うん、旨い!
さすがチリで評判のピノ・ノワールですね。。
しかし価格の安さを無視して難癖を付けるなら、やっぱり少し重たい。いつもチリワインは後半飲み疲れするのです。
バルサム質の豊かな構成エキスが、饒舌でわかりやすい美味さを与えてくれるのですが、ブルゴーニュの繊細さにもう少し近づいて欲しいところ。。
やはり涼しい区画といえど、フランスの銘醸地と比べれば温暖だということですね。
さてさて、2千円後半という価格とこの品質を相対的に評価すると、やはり優れた旨安ワインだといえます。
80~90点。
これが2千円前半で買えれば……プラス10点かも。。
しかし、相変わらずチリワインは安くてうまいワインの宝庫ですね。。
美味しかったです。
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