どうもお久しぶりでございます・・・およそ1ヶ月半ぶりの更新です。
毎日受注業務やら出荷作業やらに追われ中々ブログを更新する時間と気力がありませんでした。。
とはいってもその間も当然ワインは飲み続けており、テイスティング記がたまっています。
今日は、自分の経験値を上げるためにトライした、クリュ・ブルジョワの40年物のテイスティング記です。


シャトー・ブリー・カイヨ 1969
メドックのクリュ・ブルジョワに序列されるワインで、クラス的には良品といった立ち位置。
このクラスの20~30年物などは、結構頻繁に飲む機会があり、枯れ感を好む私としてはブルジョワ級でも30年熟成までならそこそこ愉しめるということは理解していましたが、さすがに40年物となるとメドックならグラン・クリュ・クラッセ(1~5級格付けされる高級品)しか経験がなく、はたして良品のこのワインがおいしく飲めるのか??
ある意味、ワインに生きる者として経験値を上げるための作業としてこのワインを飲みました。
さて、キャップシール内には砂埃が詰まっており、さすがに40年古酒。写真はウェットティッシュで軽く拭った後の状態なので、相当キャップシール内にも砂埃が侵入していたのかがわかるのではないでしょうか。ここら辺は逆にオールドの雰囲気があり、カッコよいところです。
色調は当然ながら琥珀化しており、薄いレンガ色。
思っていたより清澄度は良好で、40年物としてはまだワインは健康のようです。
香りは、カシスのアロマはまだはっきりと活きています。しかしグラスをスワーリングすると、足はまったくといっていいほど確認できず、これまた当然ですがエキス分は軽くなっていることがわかります。
実際に飲むと、「う~~ん・・・」
ある意味、古酒に対する褒め言葉である”枯れ感”というレベルを超えた枯れ感。厚みや酒肉感も乏しい。構成が巨大な高級ワインが熟成により調和が取れ、絶妙のバランスを保ったときに発する複雑な風味というのがオールドヴィンテージワインの魅力なのですが、このワインはエキスがこなれ過ぎています。非常に飲み口は軽い。他のエキスが弱まったことにより、酸味も目立つようになっています。
・・・まぁ、とはいっても飲めないわけではなく、ここら辺はブルジョワ・クラスの40年物なので仕方がないでしょう。真に美味いといえる40年物を求めるなら、最低2~3倍の出費が必要になるということなのですね。
正直、純粋にワインを味わうことが目的ならこのワインはお勧めできません。当店では約8000円で販売していますが、これだけ出せば若いワインなら、例えば同じメドックでいえば格付け3級当たりの高級ワインが買えるからです。
おそらくこのワインの飲み頃は10~20年。その後10年ほどはピークを過ぎた”枯れ感”を楽しめるといったところで、40年経った今もう飲み頃は過ぎています。
しかし、1969年というヴィンテージに何かしらの価値があり、40年物のスティル・ワインをリーズナブルにお求めの方には価値ある逸品でしょう。
お誕生日プレゼントや周年記念など、1969年にゆかりがあり、「1969年のワインを飲むんだ」という明確な目的があるのなら、十分選択できるワインだと思います。
乾杯の1杯だけとか、食前酒とか。それで物足りなければ他のワインにシフトすれば良いだけです。それくらいの余裕があった方がスマートというものですよね。