プレゼント専門シエル・エ・ヴァンの店長・ハヤシです。
ベルリン紀行の3回目です。
アレクサンダー広場(Alexanderplatz)からシュプレー川(Spree)を渡り、中洲になっているところにあるペルガモン博物館 (Pergamonmuseum)に入りました。
ムゼウムスインゼル(Museumsinsel)は日本語では「博物館島」と呼ばれ、ベルリンを代表する観光スポットです。
西側のブランデンブルク門からアレクサンダー広場方面にの東側にウンター・デン・リンデン(Unter den Linden)が伸びていて、ハーフェル川の支流であるシュプレー川が形成する中州を通ります。その中洲の北半分に相当する地域にベルリン美術館(Staatliche Museen zu Berlin)を構成する5つの博物館・美術館が集まっています。
ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されています。
最初は1830年に旧博物館が建てられ、その後、フリードリヒ・ヴィルヘルム4世により、この地域を『芸術と科学』に関する場所としました。
そのため、この地域に次々と博物館が建設され、1918年以降にはプロイセン文化財団 (Stiftung Preußischer Kulturbesitz) が博物館運営を行うようになり、ナチスの第三帝国時期には、各博物館・美術館を結ぶ回廊が設置されました。
第二次世界大戦が終わると、東西ベルリンが分割され、ソ連占領地域となりました。DDR(東ドイツ)が建国されたことで、東ドイツの国立博物館となりました。
5つの美術館・博物館とは、以下になります。
・旧博物館 (Altes Museum)
・新博物館 (Neues Museum)
・旧国立美術館 (旧ナショナルギャラリー、Alte National Gallerie)
・ボーデ博物館 (Bode Museum)
・ペルガモン博物館 (Pergamon Museum)
この中で最も人気があるのがペルガモン博物館です。
5館の中では最も新しい博物館で、開館は1930年です。館名になっている「ペルガモン」とは、「ペルガモンの大祭壇」で、ギリシャ、ローマ、中近東のヘレニズム美術品、イスラム美術品などが展示されています。
「ペルガモンの大祭壇」などの巨大な展示品を収納するために計画された新しい博物館でした。建築工事は1910年で、間に第一次世界大戦を挟み、完成したのは1930年でした。
しかし、第二次世界大戦が開戦し、ベルリンが空襲されました。他の博物館・美術館同様にペルガモン博物館も甚大な被害を受けました。ペルガモンの大祭壇はベルリン動物園近くのツォー高射砲塔に避難させていましたが、ソ連赤軍がレニングラードに運び去ってしまったりして、博物館が復活できたのは東ドイツに返還された後の1959年でした。
ペルガモン博物館にはフリードリッヒシュトラーセ駅(Bahnhof Berlin Friedrichstraße)から向かいました。
東西分断時代は国境駅でした。ガードに沿って様々な店舗が並び、人の流れも多く、この喧騒の中、ドイツに来て初めて日本人がいる場面を目撃しました。これがデュッセルドルフ(Düsseldorf)だったら、ここまで日本人に会う機会がないなんて、まずありえないでしょう。ベルリンは日本人に人気がないのかと思う次第でした。
シュプレー川に沿って右に折れ、その先の橋を渡って博物館島に行きました。
入場券を購入する窓口には若い女性がいました。
何か嫌なことがあったのか、不機嫌な顔をしていて、とても無愛想でした。
ドイツ語で話したのに、何も反応しないので、まさか、こんな簡単な会話もドイツ語で通じないのか、と少しショックを受けていたら、チケットも釣銭も問題なく出てきたので、どうやら本当に無愛想なだけだったようでした。いかにも旧東側の対応でした。
館内は確かに「一見の価値あり」という表現がピッタリでした。
本館はギリシャ神殿のような外観で、展示は「コ」の字形の平面を中心にして、古代の、ギリシャ、ローマ、中近東、イスラムそれぞれの地域に分かれています。
大注目の「ゼウスの大祭壇」は紀元前2世紀に、小アジアのペルガモンで建造されたものです。館内に再構築されているので圧巻です。
その大きさは全長100メートル以上で、ギリシャ神話の神々と巨人族との戦いが表されています。
ペルガモンは現在のトルコのベルガマで、発見したのはカール・フーマンらでした。1864年のことでした。
ヘレニズム期の彫刻の代表的なものですが、これだけ巨大なものをドイツに持ち帰ったというのもすごい話です。
バビロニアの「イシュタール門」も見応えがあります。バビロニアのバビロンの中央北入口の門を飾っていた装飾が再構築されています。
興味のある人には1日楽しめる博物館といえるでしょう。
大英博物館やルーヴル美術館より空いているのも魅力かもしれません。