経験上、最上といえるワインの殆どは、最初の一口よりも最後の一口の方が美味しいと感じました。
逆に二流品などは、ボトル1/3ほどは飲み疲れしたりして後半は美味しくないものです。
ワインが抜栓後に開くにつれ、より多くの味わいの要素が顔を出すからだと考えています。
そして、偉大なワインは間違いなく『年月とともに良くなっていきます』。
多くの標準的なワイナリー(特に新世界)は、自称「熟成能力がある」ワインを造っているといいますが、本当の意味は「生き延びる力がある」という方が正しいでしょう。単に、瓶の中で10~20年は持ちこたえる力があるのであって、偉大なワインの『より良くなっていく』とは別のものです。
多くのスタンダードレベルのワインは、若い内に飲んだ方が圧倒的に美味しいものです。
結局のところ、最も偉大なワインを見出そうとするとき、決め手となるのは『個性』しかありません。
よくよく、本当によくよく今まで飲んだワインを思い起こしますと、偉大なワインは100%個性的で、他のワインには無い世界観を持っていました。
そして当然なことに、残念ながらどれも高額です。
良くも悪くも、これらが偉大なワインの特徴であることは間違いありません。
3000円のワインのキャッチコピーに、
『ペトリュスに勝った!?』
1万円前後のワインを
『ロマネ・コンティとそっくり』
そんなことは100%有り得ないわけです。